和泉市教育委員会では、和泉市の歴史7 地域叙述編2.として『和泉市の近世』を出版いたしました。全9巻のうち6冊目の刊行で、テーマ叙述編としては『和泉市の考古・古代・中世』につづき2冊目となります。
新しい市史では、和泉の地に暮らしてきた人々がどのように生活を築き、発展させてきたのかという観点に立って、地域に伝わる歴史資料の総合的な調査に取り組んできました。市史の巻構成もこうした観点や調査方法が活きるよう、市内を横山、松尾、池田、信太、府中の5つの地域に分け、それぞれの地域の特徴や個性を描く「地域叙述編」全5巻と、原始・古代から近現代まで、時代に即して市域全体あるいは市域を越えるようなテーマを設定し、それぞれの時代における市域の歴史像を明らかにする「テーマ叙述編」全3巻、および市域全体の歴史展開をまとめた「通史編」1巻の9巻構成をとっています。
このたび刊行した、テーマ叙述編2.『和泉市の近世』は、江戸時代を対象とし、第1部「近世社会の仕組みー基礎単位としての村ー」、第2部「和泉市域をみわたす」、第3部「地域を掘り下げる/ひろげる」、第4部「地域を調べる/見えてくる地域」の4部構成をとっています。江戸時代の和泉市域には、60あまりの村むらが存在していましたが、これらの村むらで、大切に守り伝えられてきた古文書の数々を紐解き、人びとの具体的な歴史と生活の様子を具体的に明らかにしています。また、日本近世社会の特質もあわせて浮き彫りにするものとなっています。
また、既刊同様、写真や図表をふんだんに使い、オールカラーを実現するなど、読みやすさ、親しみやすさも重視して編集しています。
本書は、1冊2,000円(税別)で、和泉市役所文化財振興課のほか、いずみの国歴史館、久保惣記念美術館、信太の森ふるさと館にて販売しています。また、一般書店やインターネットでも取扱っています。
また、本書の刊行を記念して、和泉市いずみの国歴史館では秋季特別展「時をかける文書」を10月13日(土曜日)から12月12日(水曜日)まで開催しています。