地名の由来
「彼国清水多ク出ル処ナレハ、和泉ト号ス、和泉ハ水ノ名ナレバケリ」(「日本得名)より)といわれているように、古くから清水が多く湧き出たところで、和泉の地名も、泉井上神社の境内にある「和泉清水」に由来しています。
神功皇后が新羅出兵の途中、この地を訪れたところ、地中に波音があり、一夜にして清泉が湧き出たことから、それにちなんで「和泉」と名づけられたと伝えられています。そして奈良時代に河内国から三郡に分れて「和泉国」が誕生し、和泉の伝統ある地名を引き継いでいます。
なお「和泉」という表記は、もとは「泉」一字の地名だったと思われますが、和銅六年(713年)風土記の編纂を命じたのと同時に、諸国の国郡郷名はよき字(文字として美しくよい意味の字)をつけるようにという命が出されました(「続日本紀」)。これを受けて、国郡里名は二字の嘉名をつけることが命じられました(「延喜民部式」)。元来、国郡名などは一字や三字のものもあって不統一だったのを、これによって統一しようというのが意図だったと思われます。このときに、たとえば木は紀伊になったように、泉も和泉というようになったと推定されています。このような意味のない飾りの文字を「雅字(がじ)」といいます。
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更新日:2020年03月02日