和泉市久保惣記念美術館茶室工事だより

更新日:2024年03月28日

Vol.5 工事中しか見られない貴重な光景~屋根復旧工事(2024年2月)

・玄関棟の屋根における銅板葺き及び瓦の取り解きを行っています。

・真新しい銅板は光沢がありますが、錆びることにより銅を腐食から守る保護膜の役割を果たします。

・瓦の劣化状況を打診検査で1枚ずつ調べ、劣化のあるものは取り替えを行います。動画では、打診決算の実際の音を聴き比べすることができます。

是非、動画でもご視聴ください。

工事中しか見られない貴重な光景の動画

Vol.4 工事中しか見られない貴重な光景(2023年8月)

・聴泉亭の天井裏には、通常は茶室の床柱などに使用される良い材料である栗材を軒材として使用しています。

・聴泉亭にある残月の間の床は、押し入れの中にある鎖のチェーンを使って、天井の高さを変えることができる珍しい床になっています。

・照明(大正時代)の先端には端子が付いており、直接柱に接続することで電気が付く仕組みになっています。

詳細は、動画配信していますので、こちらも是非ご覧ください。

工事中しか見られない貴重な光景の動画

Vol.3 正門・露地門・石畳撤去工事(2023年4月)

茶室の耐震補強工事を実施するため、正門・露地門・石畳の解体を実施しています。

正門は、茶室本体と同じく、登録有形文化財建造物に登録されており、一度、解体しますが、最終的には復元いたします。

PDFの写真は既に屋根の瓦や檜皮はめくられた後で、下地の板を一枚一枚、手で丁寧に解体しているところです。

露地(茶室)に出入りする門を「露地門」と呼びます。露地門の土壁を解体しているところで、土壁の中の骨組みが見えています。

石畳の石には一つ一つに番号を付けて撤去します。これは、元の状態に戻す際、現状の位置と同様に復元するために実施するものです。

時間と手間のかかる作業ですが、現場では丁寧な作業が続いています。

Vol.2 茶室地下の耐震補強工事

今回は現在行っている茶室地下の耐震補強工事について、お知らせします。

当館の茶室(玄関・聴泉亭・惣庵)は、地下に煉瓦壁に囲まれた広い空間が存在し、その煉瓦壁を基礎として茶室が建てられています。

昭和12年当時、久保家が自宅庭先の松尾川に橋をかけ、護岸に壁を築いて盛り土をし、土地を整地しました。
茶室本体地下部分については、盛り土をせずに基礎を煉瓦壁で積み上げ、自宅庭先とほぼ同じ高さに茶室が建築できるように施工されています。

このような特殊構造であることから、地震等の対策として、地下部分と上部の木造建築物について、耐震補強工事をおこなうに至りました。

令和5年1月初め、鉄筋コンクリート造の壁を設置するために土間を掘削し、基礎工事前の捨てコンクリートを打設しました。

設置する鉄筋コンクリート造の壁は、特殊構造である煉瓦壁の一部が見えるように施工します。

Vol. 1 いよいよ茶室耐震補強工事が始まります。

令和2年度と令和3年度に実施したクラウドファンディングにて多くの方からご支援いただきました和泉市久保惣記念美術館茶室耐震補強工事がいよいよ始まります。

本茶室は、美術館敷地内に位置しており、昭和12年から16年にかけて二代久保惣太郎氏によって建築され、昭和56年に和泉市に寄贈されました。

平成18年11月に建造物等が国の登録有形文化財に、令和3年には、茶室庭園も国の登録記念物に登録されました。

しかしながら、築80年を超え老朽化が進み、耐震性についても不安があったため、公開を中止、耐震診断を実施し、耐震プランを策定しました。

令和3年度に玄関棟、聴泉亭、惣庵及び茶室正門の実施設計を行い、令和4年度から6年度にわたり、耐震補強工事を行うものです。

登録有形文化財 和泉市久保惣記念美術館茶室 聴泉亭

登録有形文化財 和泉市久保惣記念美術館茶室 聴泉亭

登録有形文化財 和泉市久保惣記念美術館茶室 惣庵

本工事の主な内容ですが、地下煉瓦壁のRC造壁による補強や押入れ壁面の合板格子壁による補強、また、惣庵の空葺きへの改修や正門を鋼管柱にて補強などを行うほか、劣化・破損箇所の左官や塗装工事、設備工事、防災工事等を実施します。

 

・工事請負者:株式会社藤木工務店大阪本店 (大阪市中央区)

・工事監理者:株式会社文化財構造計画 (大阪市淀川区)

・契約期間:令和4年9月30日から令和6年12月25日

 

10月27日には工事着工に先立ち、関係者にて安全祈願を行いました。

 

安全祈願 玄関

安全祈願 玄関棟

安全祈願 聴泉亭勝手口

安全祈願 聴泉亭勝手口

安全祈願 惣庵

安全祈願 惣庵

安全祈願 正門

安全祈願 正門

 

 

工事の完成は令和6年12月25日を予定しており、その後、一般公開や茶会の再開にむけて、準備を進めてまいります。

27か月と長い期間の工事となりますが、 その間、皆様へ工事の様子を和泉市久保惣記念美術館茶室工事だよりとして、発信してまいります。

 

この記事に関するお問い合わせ先

〒594-1156
和泉市内田町三丁目6番12号
和泉市久保惣記念美術館
http://www.ikm-art.jp/
電話:0725-54-0001
ファックス:0725-54-1885
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